◆北陸現代詩人賞

福井、石川、富山の北陸3県在住並びに出身の詩人たちの活動を盛り上げ、現代詩の普及発展を図ろうと2002年に創設された賞です。2年に回開かれます。

【記事 2023年3月3日付】 福井、石川、富山3県ゆかりの詩人の優れた詩集・詩論に贈られる「第16回北陸現代詩人賞」(同賞実行委員会、福井新聞社主催、福井新聞風の森事業団共催)が2日発表され、大賞の詩人賞に石川県小松市出身の四塚麻衣さん(26)=兵庫県=の「定点」(私家版)が輝いた。歴代最年少の詩人賞受賞となった。
奨励賞には桑田今日子さん(64)=富山市=の「ヘビと隊長」(詩遊社)、林都紀恵さん(87)=鯖江市=の「わたしの野の花図鑑」(山吹文庫)、西田昌弘さん(54)=若狭町=の「青空に線をひく」(能登印刷出版部)が入った。
北陸現代詩人賞は北陸初の本格的な現代詩の賞として2002年に創設された。選考会は1日夜に福井市内で開かれ、坂井市出身の現代詩作家で日本芸術院会員の荒川洋治さん(東京都)、福井市の詩人川上明日夫さん、南越前町の詩人今村秀子さんが、昨年末までの2年間に刊行された候補作20冊を吟味した。
詩人賞の「定点」について、荒川さんは「透明感のある、すがすがしい詩集。日常の光景の中のさまざまな感興を独自の感性と的確な表現で映し出している。ことばの一つ一つに美しさと見どころがある。まれにみる才能だと思う」と講評した。
川上さんは「緊張感と清潔できりっとした詩精神がある」、今村さんは「若々しい感覚と独特の危うさが忘れがたい作品。自己を形成するものを深く見つめている」と講評した。
贈賞式は5月27日に福井新聞社・プレス21で行われる。

 

 

 【記事 2023年5月28日付】 北陸3県ゆかりの詩人の優れた詩集に贈る「第16回北陸現代詩人賞」(同賞実行委員会、福井新聞社主催、福井新聞風の森事業団共催)の贈賞式が27日、福井新聞社・プレス21で行われた。歴代最年少で大賞の詩人賞に選ばれた石川県小松市出身の四塚麻衣さん(26)=兵庫県、奨励賞の桑田今日子さん(64)=富山市、林都紀恵さん(87)=鯖江市、西田昌弘さん(54)=若狭町=が表彰を受けた。
選考した坂井市出身の現代詩作家で日本芸術院会員の荒川洋治さん、福井市の詩人川上明日夫さん、南越前町の詩人今村秀子さんをはじめ、関係者約40人が出席。増永迪男実行委員会代表は「時代を映す文学の力を感じさせた」とあいさつ。荒川さんらが賞状を手渡し、福井新聞社の吉田真士社長が記念品を贈った。
荒川さんは、四塚さんの詩集「定点」について「確かな視点と思考、リズムを備え、きらびやかな才能がある」と若い感性を称賛。桑田さんの「ヘビと隊長」は「構成力に優れ、読みどころが多い」、林さんの「わたしの野の花図鑑」は「草花への感性が繊細で、いい世界をつくりあげた」、西田さんの「青空に線をひく」は「『詩を読んだ』という実感が読み手にしっかりと残る」と講評した。
四塚さんは「身の回りの変化を柔らかく受け止め、詩に表現していきたい」、桑田さんは「言葉の組み合わせで新たな世界が見える詩を作りたい」、林さんは「今後も野を歩き、草花から元気をもらって詩を書く」、西田さんは「新しい視点を取り入れる挑戦を続けたい」と抱負を語った。
同賞は隔年開催。昨年末までの2年間に刊行された候補作20冊から選んだ。