◆煎抹各流大茶会

 

【記事 2023年4月24日付】

茶道の県内各流派が一堂に会する第75回煎抹各流大茶会(県茶道連盟和光会、福井新聞社主催、福井新聞風の森事業団共催)は23日、福井市中央公園で開かれた。市民ら約4千人が新緑の中で優雅な野だてを楽しんだ。
昨年から会場を福井市の足羽山から変更し2回目。和光会に加盟する13流派のうち12流派が参加した。
各流派は朱傘を立てて、季節の草花をあしらうなど趣向を凝らした茶席を設けた。あでやかな和装の女性らが落ち着いた所作で抹茶や煎茶のお点前を披露。新型コロナウイルスの感染防止のため、茶や和菓子は盆に載せて運び、来場客に直接触れないように配慮した。
ことし創立80周年を迎えた遠州流茶道福井支部は、先代家元の言葉「春風生福寿(春風、福寿を生ず)」を揮毫(きごう)した短冊を掛け、赤色の花が華やかなエビネランなどで茶席を彩った。東野宗美支部長は「先人たちのおかげで80年受け継がれてきたので、私たちも次世代に継承していきたい」と感慨深げに話した。東野支部長の孫娘2人もお運び役を務め、伝統文化に触れていた。
会場は長い行列ができるほどの盛況ぶり。青嵐が吹き抜ける中、訪れた人は茶の香りと風情を楽しんでいた。